料理方法のリスク比較

 

<クマ:自分の生い立ちを調べているクマムシ>

<Koby:一緒に調査している科学オタク>



Koby:リスクコミュニケーションに当たって、リスクの大小を客観的に理解することは、大変重要である。 ということで、今回も料理方法に関するリスクについて考察を行った。

クマ:料理方法でリスクが出るの?

Koby:パッと頭に浮かぶものでは、ばい菌のたぐいじゃな。ばい菌については、食品衛生法で厳しく指導されているし、体自体がばい菌に対する抵抗力があるので、化学物質よりうまくリスクコミュニケーションされていると言える。 今回、注目したのは、おもに、油で調理した時に生じる化学物質じゃ。

クマ:たしか、焦げたものが発ガン性があるとか聞いたことがあるけど、そのはなし?

Koby:まぁ、それに近い。2002年にポテトなどが高温で焼かれたり揚げたりされた食品にアクリルアミドが含有されていることが発表されたんじゃ。その後の研究で含まれる量の多い少ないはあるが、焼かれたり揚げたものにはアクリルアミドが含有されていることが明らかとなった。このアクリルアミドはアミノ酸と糖類のメイラード反応によって生成していると考えられている。現在この調理された食物中のアクリルアミドのリスク評価が国際的に進められているんじゃ。この図は、それらの製品を1日100グラム毎日食べた場合の、ガン化のリスクを評価したものじゃ。

acrylamide.jpg

クマ:へぇ〜。大きいと見るか、小さいと見るかは、個人の問題だけど。こんな、もんなんだ。

Koby:放射線の場合のリスク:年間100 ミリシーベルトまでゆっくりと被ばくする場合、放射線によるがん死亡は0.5%(国際放射線防護委員会):と比較すると、ほぼ同じレベルのリスクとなる。 普通、放射線の場合は一般人で年間1 ミリシーベルトが基準になっているので、このことも考慮必要じゃな。 ただし、食品の場合は、気になればそれを食べなければ良い訳で、この辺が放射線のリスクとちょっと違いところじゃの。 また、アクリルアミドのガン化についても、当然人間の体はその防御機能があるので、必ずしもなるものではないがの。

クマ:よく考えてみます。



参考文献
加工食品中アクリルアミドに関するQ&A(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/11/tp1101-1.htmlアクリルアミド測定結果