大河ドラマ・花燃ゆ「世話ない」危機脱出効果

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【大河ドラマ・花燃ゆ「世話ない」危機脱出効果】

大河ドラマ「花燃ゆ」で檀ふみさんが演じているのは、吉田松陰と主人公の杉文の母親「滝」さんです。この滝さんが、よく使う言葉が「世話ない」です。

「世話ない」という言葉は、吉田松陰の故郷である山口県・萩の方言で「大丈夫、大したことはない」という意味です。

大河ドラマ・花燃ゆの「世話ない」は吉田松陰の故郷である山口県の方言で「大丈夫、大したことはない」という意味です。英語で言うと「Take it easy.」にニュアンスが似ていて、落ち着いて楽に考えると回りが見えてくるから大丈夫だよ、という気持ちです。


吉田松陰はペリーが来航した際に黒船に乗り込み密航を企てるが、渡航は拒否され江戸幕府に囚われの身となります。松蔭の生家である杉家はそのあおりでお家断絶の危機にも見舞われますが、松蔭の母は飄々(ひょうひょう)と「世話ない」と言い家族を支えるのです。

「世話ない」と言っている檀ふみさんの表情がピッタリです。

さて、普通に考えると一家破滅の危機なんですが、杉家の人々はなんとか切り抜けて行きます。

まず、パニックになっていない。「世話ない」の意味は「大丈夫、大したことはない」と危機ではあるが何とかできるはずだという強いメッセージが込められていて、単なる楽観ではないことにあります。

英語で言うと「Take it easy.」にニュアンスが似ていて、落ち着いて楽に考えると回りが見えてくるから大丈夫だよ、という気持ちです。

アメリカの人たちは、ピンチの時は必ず「Take it easy.」と言って、自分をコントロールしています。事実、ピンチの時にあたふたしても何の効果もありませんしね。
そして、次に「How can I use this?」と言って、「どうやったらこの状況を活用できるだろう?」 「この状況をプラスに転じるにはどうしたらいいだろう?」とプラスの質問をします。

この「世話ない」という響きがまさしく、ピンチの時の「Take it easy.」に似ているのです。

大河ドラマ「花燃ゆ」では、「世話ない」といわれた主人公の文が、牢獄に囚われた松蔭の生き方をも「How can I use this?」の精神で変えていくところが見所です。

日本語でピンチの時には「大丈夫」「何とかなるさ」くらいしか思い浮かびませんが、 アメリカ人は「Take it easy.」「How can I use this?」を繰り返しながらピンチを切り抜けているのかもしれません。

「世話ない」から来る「落ち着いて楽に考えると回りが見えてくるから大丈夫だよ」の言葉のメッセージは、現代においても通用する忘れかけられた大切なメッセージではないでしょうか。