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東京オリンピックのCO2対策<クマ:自分の生い立ちを調べているクマムシ>
Koby:東京オリンピックの環境対策まとめの一貫として、外すことができない二酸化炭素対策について調査した。 クマ:ロンドンオリンピック以降、環境対応はオリンピックの重要なアピール点なので、詳しく教えてください。 Koby:今までのオリンピックや国際スポーツ大会では、「カーボンニュートラル」すなわち、排出量と削減量をバランスさせるという考え方が主流であった。 東京オリンピックでは、まず、初期段階環境影響評価において、カーボンニュートラルを確実に実現するための方策を提案している。 そして、それを踏まえて、排出量を超える削減効果を実現する「カーボンマイナス」を目標としている。 表1に示すように、初期段階環境影響評価では、2020 年東京大会全体では約74 万トンであると予測した(74万トンは東京都における1年間の二酸化炭素排出量の約2%)。 ・ 大会の開催に伴うCO2 排出量は 約74 万トン ・ うち、施設の存在による排出 約23 万トン 競技の実施による排出 約51 万トン ・ 大会基盤関連は約39 万トン、観客関連は約35 万トン ・ 選手・大会関係者と観客の移動が大きな割合を占め、約31 万トンで全体の42%となっている。 ・ 建築物(新設、改修、仮設)の建設・解体も大きな割合となっており、約23 万トンで全体の31%を占める。 この大会の開催に伴うCO2 排出量74 万トンに対する、削減対策を説明する。 まず、戦略的な会場計画として、既存施設の最大限の利用や輸送に係るカーボン排出を大幅に削減するコンパクトな配置計画を行うとともに、同様に効果的である世界有数の公共交通網の活用などによるカーボン排出の削減を行う。 低エネルギー・低カーボンの大会施設・会場大会施設・会場の建設・運営に際しては、自然採光・通風などのパッシブ利用による低エネルギー化や、海水を利用したヒートポンプなど最高水準の省エネルギー技術導入等により、CO2を抑制する。 再生可能エネルギーの積極的な導入・利用では、大会施設・会場において、再生可能エネルギー(太陽光発電・太陽熱利用機器 等)の導入・利用とともに、グリーン電力・熱証書の活用により、グリーンエネルギーを100%使用する。 低公害・低燃費車競技運営の輸送では、電気自動車・燃料電池自動車やハイブリッド車などの低公害かつ低燃費な車両を使用する。 以上の対策で、二酸化炭素74 万トンの削減を達成し、カーボンニュートラルを実行する。 その後、カーボンマイナスに向けての取り組みを実行することになる。 オリンピック事業自体でのカーボンマイナスは、かなりハードルが高いが、従来の枠組みを超えた広域かつ厳格な排出量推定を基本とすることで、柔軟な対応を行いたいというののが、東京都の狙いと考える。 そのためには、企業も巻き込んだ更なる取り組みが今後期待される。 表1.2020東京オリンピックのCO2排出量とその低減対策 さて、日本の企業のセールスポイントとしては、まず省エネ技術が筆頭に挙げられ、また省エネ技術は各社戦略を打ち出しつつあるので、ここでは、二酸化炭素の固定化技術について、オリンピックへの適用可能性はないかどうか考察を進めていくことにする。 表2にCO2固定化・有効利用分野の技術戦略マップのまとめを示す。 排ガスからのCO2分離・回収技術は、実証実験もされ適用できる体制が整いつつある。 貯留および固定化については、まだまだ実験の段階であるが、オリンピック事業への直接展開としては、アルカリ土類金属を利用してCO2を炭酸塩として固定する技術や、珪酸塩、アルミン酸塩の風化プロセスの人為的促進技術が有望と推察できる。また二酸化炭素とアルカリ金属の反応は発熱反応であり、主反応はエネルギー投入を必要とせず有理であると考えられる。 いずれにせよ、2020東京オリンピックに向けて、固定化技術も含めた、より実践的な二酸化炭素低減対策が必要であることははっきりしており、今後ますます企業も含めた取り組みが重要になるいものと考えられる。 クマ:水質環境も大事なんだけど、二酸化炭素排出改善も大事なことが良くわかりました。 表2.二酸化炭素の固定化技術 参考文献 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会初期段階環境影響評価書 CO2固定化・有効利用分野の技術戦略マップ 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
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