体で光の最も敏感な「目」と抗酸化物質について
<クマ:自分の生い立ちを調べているクマムシ>
<Koby:一緒に調査している科学オタク>
Koby:色を感じるしくみが、これまた放射線と生物の関係を考えるうえで、意味深いんじゃ。
クマ:なんか、エキサイトしていない。
Koby:まぁまぁ、それでは、説明するよ。
クマ:一応、聞いてみるか。
Koby:では、色を感じるしくみについて。
光を感じる網膜は厚さ約120ミクロンで、8層構造をしておるんじゃ。 光を感じる視細胞には明暗を認識する桿体(かんたい)細胞と、色を認識する錐体(すいたい)細胞がある。 明暗を感じる桿体細胞は500nmの光(緑色)の強弱を特に敏感に感じるロドプシン(オプシンというタンパク質とビタミンAの複合体)を持っておるんじゃ。
また、色を感じる錐体細胞には3種類のヨドプシン(ビタミンAは同じですがオプシンのアミノ酸配列の違いで3種類になっている)があり、青(437nmに吸収のピーク)、緑(533nm)、赤(664nm)の波長(色の3原色)をそれぞれ感じることで色を認識しとるんじゃ。
ここで、重要なのは、光を感じるたんぱく質そのものに、ビタミンAが組み込まれていることなんじゃ。
クマ:ビタミンAというと、いままで色々いってきた抗酸化物質のβ-カロテンがビタミンAに変化するということで、なんか関係を感じるな。
Koby:その通り。ここで、重要なことはロドプシンやヨドプシン中のビタミンA複合体がそれぞれの感じる光を浴びると、つまりエネルギーが与えられると構造がシス型からトランス型へ変化し、その化学変化を最終的に脳が認識して色を感じているらしんじゃ。
ビタミンA複合体のシス型トランス型の変化の詳しい挙動は現在解明中じゃが、エネルギーの受け渡しが関係するのである種のラジカル状態が関係しているそうじゃ。
また、網膜細胞へは、太陽光線のうちエネルギーの高い紫外線も当然入ることになり、その影響でフリーラジカルが発生することは当然考えうる。
事実、抗酸化物質であるポリフェノールをたくさん含む「ブルーベリー」が目に良いことは世界的にも有名じゃな。
クマ:β-カロテン、すなわちビタミンAが重要なことが良くわかりました。
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