ベクレルとシーベルト

 

<クマ:自分の生い立ちを調べているクマムシ>

<Koby:一緒に調査している科学オタク>

Koby:放射線の強さを、これからいろいろ説明するんじゃが、どういうはかり方があるのかは、知っておく必要があるな。

クマ:ベクレルとシーベルトとは、良く聞くけど、良くわかんないや。

Koby:そうだな、放射線自体、目にみえないし、また熱のように感じることもできないから、そのはかり方と単位のりくつを分かっていないと、ちんぷんかんぷんになるから、分かりやすく説明しよう。

クマ:お願いしま〜す。

Koby:それでは、放射線をたき火にたとえてみよう。
ガンマ線は、「放射線が「からだ」にあたるとどうなるの」のところでも説明したように、光や赤外線とおなじ電磁波だったよね。
だから、たき火の熱(赤外線)を、放射線と置き換えて考えてみよう。
大きいたき火と、小さいたき火の違いは、火の大きさだよな。
すなわち、大きいたき火は、熱エネルギーを多く持っていて、小さいたき火は、熱エネルギーが小さい。
これと、同じりくつで、放射線を発生する大きさ(放射能)を、ベクレルで表すんだ。

つまり、より大きなベクレルはより放射線を多く発生させることができる。通常、ベクレルは、一定重さあたりで示されている。

今度は、たき火からの熱の感じ方についてじゃが、大きいたき火でも遠く離れると、あまり熱は感じないよな。
また、小さいたき火でも、手を近付けると、熱く感じるよな。
またまた、これと同じりくつで、放射線が物に当たるときの強さを、シーベルトであらわすんじゃ。

人間とかの、放射線の影響度を比べる場合は、放射線が物(人間)にあたる強さで比較しないといけないので、シーベルトは、放射線の影響に直接むずびつく、重要な単位なんだな。

たき火の大きさが、ベクレルで、たき火からの熱の強さがシーベルトと覚えると、わかりやすい。


クマ:な〜るほど。だから、食品とか放射能をどれだけ持っているかについて、考えるときは、ベクレルなのか。そして、体に対してどのくらい影響があるかどうかを考える時は、シーベルトが使われるんだね。


Koby:その通り。
たき火にたとえると、わかりやすいじゃろ。ついでに、ミリとマイクロという言葉も良く使われるが、ミリは千分の一、マイクロは百万分の一、を表しているんで注意する必要がある。
現在の、普通の人での基準は、自然放射線以外の線量で、1年間で1ミリシーベルトまでとなっているんじゃな。