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アルピニストの秘密/赤血球と活性酸素のリスコミ<クマ:自分の生い立ちを調べているクマムシ>
Koby:世界最高峰のエベレスト(中国名チョモランマ、標高8848メートル)に、冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんが5月23日、史上最高齢となる80歳での登頂に成功した。三浦雄一郎さんは、血管を拡張して酸素を体内に取り込みやすくし、酸化ストレスを中和する「ヘムオキシゲナーゼ-1」(HO-1)という遺伝子の働きが一般の人よりも活発で、高齢での高所登山を可能にしているという。今回は、ヘムオキシゲナーゼとストレスの関係について調査した。 クマ:本当に、三浦雄一郎さんの快挙には、世界の皆が勇気づけられたね。 Koby:それでは、まずヘムオキシゲナーゼの役目から。 ヘムオキシゲナーゼは、古くなったり損傷を受けた赤血球を、脾臓中のマクロファージが分解するところから始まる。 体内の赤血球の総数はおよそ20兆個であり(全身の細胞数約60兆個の1/3!驚き!)、毎日2000億個弱程度の赤血球が約120日の寿命ののち脾臓で分解されておるんじゃ。 そして驚くべきは、分解されたヘム(ヘモグロビンの鉄タンパク質)は脂溶性の鉄であることから、活性酸素生成を促進して細胞にダメージを与えるんじゃ。 この、有害なヘムを無害しかつ、有益な抗酸化物質まで、変化させるのが、ヘムオキシゲナーゼなんじゃ。 クマ:ビックリ!! Koby:つまり、マクロファージが老化した赤血球を分解した時に発生する有害なヘムを、ビリベルジンやビリルビンに変化させるのが、ヘムオキシゲナーゼの役わりじゃ。 ビリベルジンとビリルビンには、強力な抗酸化作用があり、酸化ストレスなどによる細胞傷害を抑制するんじゃ。 また、同時に発生する微量の一酸化炭素は、末梢循環の還流圧を調節し、血管を拡張して酸素を体内に取り込みやすくする。 分解される赤血球の数は、普通の生活では同じじゃが、脾臓には赤血球のストックがあり、これをもとにヘムオキシゲナーゼの増量で、血管を拡張して酸素を体内に取り込みやすくし、またストレスで発生しる活性酸素も効率的に中和し、三浦雄一郎さんの登頂に、貢献したという訳じゃ。 クマ:スッゴイ!!! 図1.脾臓の役目とヘムオキシゲナーゼ 参考文献 wikipedia赤血球 http://ja.wikipedia.org/wiki/赤血球
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