PM2.5の組成

<クマ:自分の生い立ちを調べているクマムシ>

<Koby:一緒に調査している科学オタク>



Koby:今回はPM2.5の組成について。

クマ:PM2.5のリスコミでは、PM2.5の組成は、複合物で一定していないと説明したと記憶しているけど。

Koby:そう、そのとおりなんじゃが、ある程度のバラツキはあるものの、PM2.5の組成の概要は良く似ているんじゃ。

クマ:そうなんだ。

Koby:下の図1に都市部と非都市部の代表的なPM2.5の組成を示す。見てわかるように、都市部、非都市部とも最も多い成分は、なんと「硫酸イオン:SO4イオン」なんじゃ。
つまり、石炭や石油の燃焼で発生する硫黄酸化物のガスが由来となる、二次粒子(雨滴に溶けて液体または固体になったもの)なんじゃ。
また、同様に燃焼時に発生する窒素酸化物が由来となる「硝酸イオン:NO3イオン」も都市部では、その次に多くなる。両者を足して、約40%の割合となる。

ということで、中国大陸からの越境が、心配されておるところじゃ。
硫黄酸化物(SOX)は、主に石油、石炭のなどの化石燃料を燃やすことによって発生する。工場と自動車が大きな発生源だ。
これを改善するために、日本では大気汚染防止法が1968年に制定され、それが次第に強化された。
「K値規制」と呼ばれる、ガスに占めるSOXの割合を示す全国一律の基準が示され、それを達成することを求められた。
規制は各工場へのヒアリングに基づき決まった。
その規制では導入時点では緩い目標を定め、数年後に引き上げる形の規制を繰り返した。
そして大規模な事業所は1970年代、自主的に国や自治体と公害防止協定を結び、法律が定めるよりも厳しい水準で公害対策を行うようになった。
これらの措置が、相互に関連して事業者はSOXを減らしていったんじゃ。


クマ:日本は、スッゴイ!!!






図1.PM2.5の組成 PM2.5 都市部の組成 PM2.5 非都市部の組成


図2. SO2排出抑制の各国比較 SO2 comparison




参考文献

環境大気中の微小粒子状物質(PM2.5)について
http://www.tokyokankyo.jp/kankyoken_contents/research-meeting/h23-01/2301-kouen.pdf