マンションのリスコミ/環境アセスメントの活用

<クマ:自分の生い立ちを調べているクマムシ>

<Koby:一緒に調査している科学オタク>



Koby:今回は、ちょっと変わって、マンション購入時のマル秘テクニックというか、環境アセスメントの有効活用についての話じゃ。

クマ:ちょうど、住宅ローン金利の節目で、こういう情報を知りたったんだ。分かりやすく説明してね。


Koby:マンションの性能を比較するには不動産情報など種々の情報があるが、なかなか核心にせまる具体的な情報は得にくいもの。
 たとえば、土壌汚染の有無とか、周辺の騒音に関する状況とか、たぶんこのような情報は、誰に聞いても分からない。

 分譲を担当している不動産会社の担当に聞いても販売に関して不利になるような情報があれば、当然言うはずがない。
 しかし、購入者である我々は、まさしくこのような情報が知りたいわけなんじゃ。
 各々の行政別に、マンション規模の環境アセスメント対象を比較したのが、下の表じゃ。

 表を見ると分かるように、アセスメントの適用条件は、工業地域あるいは都市部の方が小さな物件でも適用されるようになっていることが分かる。
とくに、計画人口あるいは住戸の条件がついている、東京都、川崎市、名古屋市では、中規模マンションでも環境アセスの適用が実施されることになる。

 特筆すべきは、川崎市で計画人口が300人以上のマンションは全て、環境アセスメント対象となっていることだ。

 環境アセスメントでは、環境影響項目全てにおいて予測と検証が実施されることから、土壌汚染、騒音、振動、臭気、全ての項目を網羅した、数百ページにわたる詳細なレポートが、いわば「タダ」で手に入ることになる。
 マンションを選ぶ場合の、重要な参考資料となるとともに、購入後のマンション資産価値の証明ともなり得る。
 それぞれの環境アセスメントの一覧物件を公開してる各行政のHPは下記。

川崎市
http://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/29-2-3-1-0-0-0-0-0-0.html
東京都
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/assessment/reading_guide/index.html
横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/mamoru/asesu/jigyou/itiran2.html



住宅用土地の環境アセスメント対象条件
県及び市土地面積(住宅用地)計画人口(人)
北海道50万m2(0.5Km2)以上対象なし(以下―)
青森   ―   ―
岩手50万m2(0.5Km2)以上   ―
○宮城20万m2(0.2Km2)以上   ―
秋田75万m2(0.75Km2)以上   ―
山形75万m2(0.75Km2)以上   ―
福島   ―   ―
茨城75万m2(0.75Km2)以上   ―
栃木50万m2(0.5Km2)以上   ―
○群馬20万m2(0.2Km2)以上   ―
埼玉50万m2(0.5Km2)以上   ―
千葉   ―   ―
◎東京40万m2(0.4Km2)以上1500戸以上
○神奈川20万m2(0.2Km2)以上   ―
◎横浜市15万m2(0.15Km2)以上   ―
★川崎市1万m2(0.01Km2)以上300人以上,H25年からは延べ面積12,000m2以上
新潟50万m2(0.5Km2)以上   ―
富山75万m2(0.75Km2)以上   ―
石川100万m2(1Km2)以上   ―
福井75万m2(0.75Km2)以上   ―
新潟50万m2(0.5Km2)以上   ―
山梨   ―   ―
長野20万m2(0.5Km2)以上   ―
岐阜   ―   ―
静岡50万m2(0.5Km2)以上   ―
愛知75万m2(0.75Km2)以上   ―
◎名古屋市50万m2(0.5Km2)以上1,000戸以上
○三重20万m2(0.2Km2)以上   ―
○滋賀20万m2(0.2Km2)以上   ―
京都50万m2(0.5Km2)以上   ―
大阪   ―   ―
兵庫100万m2(1Km2)以上   ―
奈良50万m2(0.5Km2)以上   ―
和歌山75万m2(0.75Km2)以上   ―
鳥取   ―   ―
島根   ―   ―
◎岡山10万m2(0.1Km2)以上   ―
広島50万m2(0.5Km2)以上   ―
山口50万m2(0.5Km2)以上   ―
徳島50万m2(0.5Km2)以上   ―
○香川30万m2(0.3Km2)以上   ―
愛媛   ―   ―
高知   ―   ―
福岡   ―   ―
○佐賀35万m2(0.35Km2)以上   ―
○長崎30万m2(0.3Km2)以上   ―
熊本50万m2(0.5Km2)以上   ―
○大分30万m2(0.3Km2)以上   ―
宮崎50万m2(0.5Km2)以上   ―
鹿児島40万m2(0.4Km2)以上   ―
○沖縄30万m2(0.3Km2)以上   ―



参考文献

環境影響評価制度総合研究会報告書(資料編) - 環境省
https://www.env.go.jp/policy/assess/5-3synthesis/kenkyu/houkokusyo_rev.pdf