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免疫を健全に維持するには(大事な腸内細菌)
<免疫システムについて> がん化の原因物質についての研究は、膨大にありますが、がん細胞を退治(性格に言うとT細胞が捕食する)研究は、始まったばかりのようです。
また、免疫の異常で生ずる病気は、総じて「自己免疫疾患」と呼ばれ、日本でも患者率の高い関節リウマチや、運動麻痺・視力障害を来す中枢性脱髄疾患である多発性硬化症がそれに分類されます。 研究のポイントは、がん細胞や間違って攻撃される自己の細胞を、免疫細胞が、何をもとに区別して攻撃するかということです。
この研究は、大変に難しく、がん細胞自体が、自己と非自己の中間の「自己もどき」的なものであることも理由の1つですし、また、研究でその仕組みが判明しても人間の免疫システムをコントロールすること事態が至難のわざだと考えられていました。
<免疫をつかさどる司令塔>
免疫の作用で重要なことは、自己と自己でないもの(非自己)の区別です。自己でないものを捕食する性質は、そもそも原始の時代から生命が誕生して以来の生きるための基本性質です。この基本性質を、コントロールする指令塔が免疫システムそのものと言っても過言ではないでしょう。
最近の研究成果から、自己と非自己を識別する免疫T細胞(Treg細胞:免疫を抑制する,Th17細胞:免疫を活性化する)がその役目を担っていることが分かり始めています。 また、この免疫細胞は普段は小腸の粘膜内で腸内細菌(腸内細菌は人間の総細胞より約1.5倍多い100兆個もいる)と種々の駆け引きをしているらしいのです。
腸内細菌(腸内細菌は人間の総細胞より約1.5倍多い100兆個もいる)は種々雑多の種類がものすごく多くいるわけです。ヒトの活動にプラス効果を与える善玉菌(ビフィズス菌などが有名)と、マイナス効果を与える悪玉菌(病原性大腸菌など)をしっかり区別する必要があります。 しかし、捕食される細菌にとっては全くの死活問題ですから、それこそ命を賭けて、戦うわけです。それも単純な戦いではなく、生命の進化の舞台ともいえるほどの高度な戦い、すなわち「宿主もどき」的な、自己と非自己テーマにした識別に関する進化の戦いです。
もともと、原始的な細胞を考えた場合、他の細胞を食べることという基本的な生命活動が、すなわち免疫のもとなのですから、消化・吸収を担っている人間の腸が、免疫の舞台であるということは納得できそうです。
以上のことから、健全な免疫力を維持するには、腸内細菌、特に小腸の腸内細菌のバランスが重要だということが分かります。 それも、善玉だけでは区別ができないので、害が出ない範囲で少量の悪玉菌も必要のようです。 腸内細菌の研究は、まだまだ始まったばかりで、これから見逃せないところですが、今のところ適正は腸内細菌のバランスを得るには、偏った食事はさけ、バランスの良い食事が有効のようです。
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